お江戸で、ひと花、咲かせますル~


c0202832_16561490.jpgちょうど、1ヶ月前の今日、 1月7日に、娘が、花のお江戸で、ひとり芝居をした時のことを順序だてて、綴ります。今回は、昨年晩秋からのお稽古風景~前日の会場設定、本番朝の最終リハまで。そして、本番に臨んだ昼と夜の芝居を、舞台の姿を中心に、画像も沢山入れて、ご披露したいと想います。当日、会場に足をお運びくださった皆さま、また、惜しくも予定があり、遠方であったがため、観たくても、お江戸まで参上できなかった方にも、愉しんで頂けるように、解説も交えて、野田秀樹脚本『売り言葉』のシーンをお届け致しますル~。カレーのル~(笑) 
※このル~は、劇中、台詞でのギャグで何度か使われる言葉尻です。





c0202832_1742910.jpgまずは、昨年の11月に遡ります。初めて、私が公民館の和室で、娘の稽古に立ち合って、演技指導もどきも、口を挟み、白紙の段階から、この劇のカタチを模索していた頃です。目線ひとつでも、そこに居ないはずの人が、浮かび上がるから、目線はいかに大事か。中高大と演劇に費やしてきて、重々そんな事は、百も承知であろうダメだしにも、娘は、素直に頷き、そうじゃない、こうよと私が演じて示したら、その場で、ちゃんと完璧にそれを演じてくれました。これには、母親乍も、この娘の芝居にかける情熱と、よりよいものを創りあげる精神は、半端なく女優魂だと見惚れました。それまでにも、娘は、一人で芝居の稽古をしてきました。勤務先の学校で、放課後、教室の中で、2時間に及ぶ泣き笑いの膨大な台詞を、夜な夜な唱えていたと想うと、そりゃ、「学校の怪談」と守衛さんに噂されそうになっても、致し方ないかなと想いますが…(笑)


c0202832_1711698.jpgc0202832_1762776.jpg12月に入り、芝居小屋になる、北品川での会場での初稽古と、舞台セットの確認で立ち会った時は、いささか疲れました。この会場は、芝居をするために造られた小屋ではないので、中央に何本もある円柱が、どこからも遮るカタチになり、はっきりいって、この柱は邪魔者でした。フラットな床も、ステージと客席に別れているのではく、下手・上手の舞台袖もなにもない。ガランドウの箱です。ここを、どう芝居小屋にするか、悩みましたが、最終的には、ピンチをチャンスにできました。
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白い壁のように見えたパティションは、娘と私の女二人で立てかけた11枚の大掛かりなセットです。邪魔な円柱が、油絵を描く時のイーゼルやキャンパスに見立てることができたり、椅子を置いたら、背もたれの柱になりましたし、背の高い光太郎や、縋りたい象徴の何者かに見える演出にも貢献したのです。白い壁は、智恵子の裕福だった実家が、倒産し、家財家屋が処分されていく赤札を貼るシーンで映えることになりました。
c0202832_17362430.jpgその壁と中央の柱を上手く使って、黒いガムテープで牢獄のように精神病棟に入り、籠の鳥になる智恵子の狂っていく場面では、これぞ!圧巻の場面と想わせる効果が爆発しました。なんでも、邪魔なモノはないのです。人生でも、うまくいかない時にこそ、這い上がる術が見いだせたり、見知らぬ人の助けの手が差し伸べられたり、本物、神髄が見出せるのだと感じました。
c0202832_1713485.jpgそれに、フラットな床を使い、花道を会場に作った事も正解でした。芝居の最初に、自転車に乗って登場するのですが、幕開けにはうってつけの演出となりました。


c0202832_17203976.jpgいよいよ、本番の朝。舞台は、昼1時半からでしたので、午前中は、会場入りするやいなや、本番同様に衣装を3幕着替えて、音響も入れての最終リハになりました。ここで、一気に娘のテンションは上がったようです。本番の衣装を着て、次第に、娘は、智恵子さんになっていきました。着付けをしつつ、本番の舞台裏では、私も寡黙になりました。シュッシュと帯を解く音、クルクルと帯を撒く音、キリッと腰紐を〆る…その手順をひとつでも間違えたら、最初から降り出しです。そうならないように、時間との闘い。裏では必死でした。


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c0202832_17263916.jpg本番では、カメラ撮影はしていないので、ここで紹介できるシーンは、本番の直前のリハの画像です。私自身は、衣装の着付けの担当と、照明などの黒子でしたので、舞台裏で控えている身。このリハの時、着替えの合間をぬって、ようやく、娘の舞台姿を垣間見れた次第です。客席で、本番、通しで観れたら、どんなにか楽しいかと想って娘にそう言いましたら、横から、娘も、私も自分の演技を生で観たいわと、すかさず、答えたので、二人で笑いあいました。
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どんどん、芝居に熱が入っていく娘を、舞台裏の楽屋で衣装の着付けをするために控えていた私は、幕事に変わる娘の姿を、いかに、芝居の中の智恵子さんに見えるか、近づけるか、ドキドキしながらも、興奮の坩堝に化していくであろうシーンを想像しつつ、帯や着物や長襦袢を着付けていきました。淡々と、黙々と、続ける作業の〆は、帯の背中をポンと、叩いて、「さ、いってらっしゃい!」と舞台へ、娘を送り出してました。


初日の昼の部が、無事に終え、数時間後の5時からは、早くも千秋楽の夜の部です。この昼と夜では、1箇所、衣装で明らかに違う箇所があります。さて、それは何処であったでしょうか?その謎解きの答えは、この次のブログで種明かしをしたいと想います。では、乞うご期待を!
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by clematis-myu | 2012-02-07 23:58 | LIVE