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櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。


櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_3354589.jpg先日、3月26日(火)、日本三文殊の第一霊場として名高い奈良の安倍文殊院 http://www.abemonjuin.or.jp/ で、私は師と仰ぐ裏千家の宗和先生のもと、社中の皆さまと共に、300名近くのお客さまを接待する『春の茶会席』に参加して参りました。この文殊院さんは、今回初めて詣でた寺院ですが、あの陰陽師の安倍晴明で有名な聖地であり、文殊の智慧が授かることでも有名な名所でした。おまけに、つい最近、ここのご本尊、獅子に跨る文殊菩薩さまが国宝に認定されたこともあり、前日の25日から26日にかけて二日間は、同院では、年に一度の最大の祭典、『文殊お会式』も開かれている最中で、二日目の26日は『春のお茶会』もあり、境内は賑わっておりました。



櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_3365085.jpg『文殊お会式 』もんじゅおえしき
とき:2013年3月25日(月)~3月26日(火)
ところ:安倍文殊院 
大化改新の時に、左大臣となった安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が安倍一族の氏寺として建立したのが「安倍山崇敬寺文殊院」(安倍寺)である。

年に一度の大祭で、3月25・26日のお会式(えしき)は文殊さまの御縁日。この日にお詣りをすると、本堂前で参拝者全員に「お加持祈祷(僧侶により文殊さまの智恵袋を頭に当てられ智恵を頂く)」が受けられる。両日とも、16時30分に智恵のお餅まきが行われ、境内には露店が多数出店する。



櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_3405784.jpg『春のお茶会』はるのおちゃかい
とき:2013年03月26日(火)
ところ:安倍文殊院<客殿五台閣>

智水会の先生が文殊様のためにお茶会を開く。10~16時。智水会とは裏千家・表千家など各流派の先生の集まり。一般者も当日2000円で券を購入の上、参加可。





櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_344323.jpg会場の準備は、二日前の日曜日の昼から始まり、先生を筆頭に、社中の私たちが、お道具を搬入し、それぞれの役割分担の担当場所を設えて行きました。私は、今回、受付を担当。時折、お点前のお薄のお運びも任されてましたので、そのお稽古も兼ねて、当日は諸先輩のお姉さま方と一致団結し、おもてなしのお接待が上手くいきますようにと祈りました。





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櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_3563124.jpg当日は、私たちだけのお教室のお席ではなく、会場となる客殿五台閣の上階では、同じく裏千家の他の席のお接待がお座敷であり、下階の我々のお部屋では、立礼という椅子に座ってお茶を嗜む新しい形式美の茶の湯でおもてなしを致しました。どちらも、智水会という茶道の各流派の先生たちの主催となり、このお席を開くということは、師匠にとっては、籤引きや順番もあり、名誉なことでもあるので、社中の皆も自ずと力が入りました。むろん、この日に茶事で使われたお水は、唯識、文殊院の神様の水を戴くということです。




櫻を愛で、智慧を授かり、茶の湯で憩う。_c0202832_3484272.jpg私は、この日、鮫文様の江戸小紋に、紫の刺繍の銀糸の袋帯、萌黄色の正絹帯揚げ、2色の伊賀の組紐の帯〆、の見立てで、華やかさの中にも、お客さまよりも、派手にならないように、遠目では無地に見える江戸小紋の着物にしました。


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この日は、お接待する身の私たちも、皆、和服を着て華やかな中にも、静かな佇まいの茶の湯の道を究めるために精進しないといけないこと、実際に、晴れ舞台を体験すると、身が引き締まる想いです。日頃のお稽古の不確かさもここで、観て戴くこことで、大きく花開くのですから、日が迫るにつれ、私も先輩方も技を磨くことに集中してきたのは、鬼気迫るものがありました(苦笑)。でも、やはり、最後に肝心なのは、心ですね。何でも、人生の修行と同じように、技を会得しただけでは、心が伴わないといけないなと、いろんな面で悟りました。


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今回、運よく、国宝の菩薩さまも拝め、お天気にも恵まれて、櫻も咲き初め、花見と、茶会と、人生の道を愉しむ佳き日になれたこと、心新たに、師匠に感謝したくなりました。
そういえば、師匠が今回、主菓子に託した銘は、“天平の春”でした。嗚呼、まさに、そのものですね。
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by clematis-myu | 2013-03-29 03:03 | 季節の便り